チャップリンとの出会い
私は初めて会う人と話をするときに必ず『チャップリン』の話をします。チャップリンは喜劇王、チャールズ・スペンサー・チャップリンのことです。
なぜチャップリンの話をするのかというと、私が尊敬している人の一人だからです。チャップリンからいろんなことを学びました。
そんなチャップリンとの出会いは高校生の時。世界史の授業で写真を見た、だけでした。一回は映画を見てみようと思い、映画を見たら夢中になってしまいました。それがチャップリンとの出会いでした。
トーキー最盛期にあえて”無声映画”
チャップリンの映画の特徴としては、まず無声映画であること。チャップリンが映画を作っていた1900年代の初めは声が入った映画が流行りでした。しかし、チャップリンは、「アメリカ人が見ても、イギリス人が見ても、日本人が見ても分かる映画を作りたい」という意味であえて無声映画にこだわっていたようです。
チャップリンからのメッセージ
チャップリンの映画はそれぞれ時代背景を踏まえていろんなメッセージを発信しています。本物の芸術家とは、リスクを恐れずに自分の最も得意とする領域を使って発信するものです。チャップリンは『映画』を使ってメッセージを発信しています。
チャップリンの映画に共通しているのは、放浪者チャーリー(チャップリン)が主人公であり、純粋無垢な主人公を演じています。放浪者なので決して贅沢な生活をしているわけではありません。それなのになぜか楽しそうな人生を送っているチャーリ。そんなチャップリンの映画を見ていると、人生を豊かにする要素が全てに入っています。
- 食べること
- 働くこと
- 人を愛すること
この3つが人生を豊かにする要素だ、ということがチャップリンの映画を見ていると本当によく分かります。
まずはこの映画から見てほしい
チャップリンを知っている人は多いと思いますが、実際に映画を見たことがないという人は多いのではないでしょうか?ぜひそんな方々へ、この3つから見てもらえると嬉しいです。
おすすめ①:モダン・タイムス(Modern Times)
現代社会へも通じる、チャップリンのやりたいことをちゃんとやって人生楽しめているか?という問い
時代背景とおすすめポイント
新しい技術が確立され、どんどん機械化が進む時代。仕事が機械にとって変わること、機械を操作するだけの単純作業ばかりの仕事。経営者は売上や生産性効率ばかりを追い求めている時代。
そんな時代で、人間が人間らしい生活が過ごせていないことへの警鐘を鳴らす映画です。チャップリンの素晴らしい”芸”が全て積み込まれている、いわば『チャップリンの全て』とも言える映画です。
またマニアックなポイントとして、当時はトーキー映画(声ありの映画)が流行ってた時代でチャップリンは頑なに無声映画を作り続けていました。すると世間は「チャップリンはなぜトーキーを作らないのか?もしかして変な声なのでは?」という噂が立ちました。それに対してチャップリンはこの映画の最後で歌を歌います。しかもこの世の中のどこにも無い言語で歌います。トーキーは特定の言語を喋る人しか分からないことへの嫌悪感を抱いていたチャップリンが行った、この皮肉さがとても魅力的です。
おすすめ②:街の灯(City Lights)
『愛』とは何か?
おすすめのポイント
チャップリン映画の中でも代表する恋愛映画。ただし普通の恋愛とは全く違います。放浪者チャーリーは美しい女性と出会い、恋に落ちます。ただ、その女性は盲目の女性。そんな女性と出会い、チャップリンは女性のためにリスクを冒しながらも様々なことにチャレンジして彼女のために尽くします。
映画としても最初の盲目の女性と出会うシーン、そして、最後の最後で見せるチャップリンの笑顔、映画の全ての伏線が最後の笑顔に纏まっていく。そしてチャップリンが伝える『愛』とは何か、を考えるいい映画です。
おすすめ③:独裁者(The Greate Dictator)
ヒトラーが英雄視されていた時代にチャップリンが投じたヒトラーの脅威。
映画で伝えるのが芸術家の美学そのもの。
そして、最後のスピーチは世紀を越える名演説。
時代背景とおすすめポイント
まさに第二次世界大戦真っ只中という時代。そして今では想像できないかもしれませんが、当時はヒトラーは極悪非道人間ではなく、ドイツの英雄です。
そんな時代の中、ヒトラーと同い年でほぼ外見も似ているチャップリンがまさかのヒトラーと迫害される一般市民の二役を演じるのがこの映画です。もちろんフィクションばかりですが、映画の中でやっていることよりもヒトラーは酷いことをやっていました。
この映画はヒトラーを英雄視している人たちに向けて、ヒトラーの極悪非道をチャップリンが最も得意とする映画で伝えたものです。そして、最後の大衆に向けてスピーチするシーンはよくあの時代にあの映像をとる勇気があったな、と尊敬に値する勇気です。
まとめ
チャップリンを見たことが無い人、見てみたいけど何を見ればいいか分からない人、ぜひ参考にしてほしいです。