放浪ブログ

旅先の情報からこれまで経験してきたこと(就活/コンサル/ITなど)を発信していきます。

【つぶやき】業務とシステムを別で考えることによって起こることと原因とは?

業務とシステムの関係に対する、日本とアメリカの違い

 仕事の関係や個人的なつながりでいろんな人と話をする機会がありますが、『日々の業務』と『システム(IT)』との関係に対する意識が日本とアメリカで違うな〜って思うようになってきました。

※注意事項として、ここで取り上げる『企業』とは、自社で事業をやってる事業会社を想定しています

業務VSシステム? or 業務=システム?

 日本では、業務とシステムは別で考えられているケースが多いと感じます。「そこは情シスがやるでしょ」とか、「情シスはデータ出すだけ」のように、業務部門と情シスが仲が悪い日本の企業をたくさん見てきました。

 一方で、アメリカでは業務とシステムを一緒に考えられているケースが多いと感じます。システム関連の打ち合わせであっても、必ず業務部門の人が出席されることが多い。それは業務部門の人たちが自社でどういうシステムを作ろうとしているか、について関心が高いことを意味しています。

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日本は自分の領域を守る人が多い

 なぜ、上記のような対立関係が日本では多く発生しているように感じるのか、自分なりに整理してみましたが、一番は変化を恐れる人が多い、ということに帰着します。今やっていることがある程度手法も確立されているし、それで給料ももらえている。よくも悪くも真面目な人が多い分、挑戦して新しいことをやって失敗するぐらいなら、今のままでいいと考える人が多いのではないか、と考えています。

アメリカは新しいものを挑戦してみる

 アメリカでは良くも悪くも真面目な人が少なく、いかに効率よく仕事をするか?という考え方の人が多いと感じています。つまり、今不満を抱いていることは訴えて、改善していきたい、という意識が強いです。

 また、これもアメリカにきて驚いたことの一つですが、新しいことをやる時に、ちゃんと理由を説明して納得してもらえると、みんな驚くほどに協力的に動いてくれます。目指すべきポイントが納得できれば、一緒に考え、挑戦してくれる風土がアメリカにはありました。

システムってなんのためのシステム?

 そんな状況に身を置くと、いつも感じることが、なんのためにシステム作るの?というそもそも論になってしまいます。どんな会社に行っても必ず『システム』と呼ばれるものは存在します。では、システムが存在する意味ってなんでしょうか?

元々は業務をやりやすくするために作ったシステムでは?

 これまで私が関わってきたいろんな会社でシステムは必ずありますが、共通していることは、

  • 日々の業務を行う上で必要なシステム
  • 数字を見える化して、経営判断・業務判断を行うためのシステム
  • 管理するためにデータを集めるためのシステム

など、多岐に渡ります。

 ここで重要なことは、システムを作ったときは必ず業務をベースにこういうシステムが必要だから作ろう(導入しよう)、となっているはずです。

システムは誰が作るべき?

 では業務をベースにシステムを作るために必要なことはなんでしょうか?私が考えるには、業務のことをちゃんと理解できている人、つまり自社の人が中心となってシステムを作ること、だと考えています。

日本はベンダー任せのシステム開発

 システムは業務をやりやすくするために作るもの。そのためには、業務を一番理解している自社の人が作るべき。では、今の日本ではどういう体制となっているのか?

 私がみてきた企業のほとんどはシステム開発は全てベンター(委託会社)任せ、です。この体制が引き起こす問題点としては、

  • システムの中身を理解している人が自社内にいなくなる
  • 開発が終わると、誰もそのシステムの詳細を知らなくなる
  • よって、改修が必要になってもどこをどう改修すればいいかわかる人がいない

など、作ったはいいけど中身をちゃんと理解した人が完成と同時にいなくなる、という問題です。

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日本企業のシステム開発

アメリカは自社メンバが中心でベンダーはあくまでサポート役

 アメリカの企業でももちろん、システム会社やコンサルファームが関わっていることがほとんどです。ですが日本と一番違うところは、システムを作るところにも深く自社メンバが関わっている、ということです。

 システムを作るところに自社メンバが関わることで、

  • システムの詳細を理解している人が社内にいる
  • 自社内にノウハウが残るので、人が入れ替わったとしても、ノウハウは残る
  • よって、改修が必要になっても改修することができる

というメリットがあります。

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アメリカの企業のシステム開発

業務とシステムを別で考えることで起こる問題とは?

 では、業務とシステムを全く別に考えると何が起こるのか?結論、『業務は日々社会情勢などの外的要因で変化していくのに、システムは変わっていない』という問題が発生します。業務は変化を好まない日本でも、コロナなどの社会情勢で変えざるを得ない、ということが発生しますが、業務とシステムを別で考えることでシステムへうまく取り込めていない実態が日本にはあります。

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業務は変わるのに、システムは変わらない

なぜシステムは変わらないのか?

 先に述べたように、日本の企業はほとんどがベンダー任せで開発を行なっています。その結果、作られたシステムの中身を知らない人たちがシステムを使っており、業務が変わってシステムも変えないといけないのに”中身が分からないから変えられない”という大問題が発生してしまいます。

日本の企業へ提言。何事も自社主体でやるべき

 日本の企業でもグローバルを舞台に戦っている企業のほとんどが、自社内でシステムを作っている企業です。なぜなら、企業ごとの業務はその企業内で実際にやっている人が一番詳しいので、業務のためのシステムを作るには自社の人が中心となってやるべきだ、ということと、変化に臨機応変に対応するためには自社で作るべき、と考えている企業が多いように思います。

まとめ

  1. 日本人は変化を好まない風潮にあるが、外的要因(社会情勢など)で業務は変えざるを得ない状況が発生している
  2. システムは自社ではなく、ベンダーに任せっきりなので、システムの中身を理解できていない
  3. システムの中身が分からないから、容易くシステムをいじることができない
  4. よって業務は変わるのに、システムは変わらない、というギャップが発生している
  5. 業務とシステムを別に考えることで、業務の変化をどうシステムへ対応すべきか、もわかっていない
  6. 日本企業はベンダー任せではなく、アメリカみたいにベンダーにフォローもらいながら自社中心でシステム開発をしていくべきである